2009年03月16日

幹部会報告

平成21年3月12日
           路 線 報 告

                   代 表  脇 本 征 男

3月4日、の幹部会の報告を致します。控訴審第3回公判(4月15日)を控え、多様な反応と意見等が流布され、なかには、原告側の主張が「絞りきれていないのではないか」などとする歯科医師の発言が業界誌に掲載されたりしております。

そもそも、わが国の歯科技工士制度(歯科技工士法)は、無資格者による「歯科技工行為」を禁じていることが趣旨・目的の主軸であり、その上に成り立っている制度(法)であることは自明であります。
そのために歯科技工士の身分、業務、施設を規律し、違反者には刑罰まで科しているのであります。

歯科技工士法の第一条に、「この法律は、歯科技工士の資格を定めるとともに、歯科技工の業務が適正に運用されるように規律し、もって歯科医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。」とあります。歯科技工の海外委託は、どなたが、どう考えても、歯科技工の業務が適正に運用されるとは考えられません。まして、無資格者と分かっている相手に委託している事実は、法律以前の問題として医療に携わる者の倫理観が問われます。そのようなことで、歯科医療の普及、向上に寄与などとは考えられないことであります。

はっきり言って、いくら「安くていいものだ」と言おうが、無資格者が作ったモノは「だめだよ」ということが、この法律の原点であり、国策だからといって法律を無視し、経済優先に走り、怠惰な不作為や違法作為の施政は、国自ら強いた制度の崩壊を招くものであり、国民の健康保持を阻害するもの以外の何ものでもありません。

歯科技工士が「再委託」による仲介屋をやる等ということは、明らかな法律違反であり、又、それを知りながら発注している歯科医師は間接正犯として違法行為であります。
歯科医師が個人的に発注している場合においても、「無資格者に委託する」という違法行為は何ら変わらず、「犯罪行為」のそしりは免れません。
法に「明記されていない」、法は「相手を罰するようになっている」との言い訳は、法の趣旨・目的に照らして、法治国家のわが国において条理上許されることではありません。

現在までの公判においては、「海外委託の良し、悪し」には何ら触れられず、厚労省の舞文弄法から発出された「17年通達」が、恣意的解釈に基づいて一人歩きしているだけであり、司法の判断が待たれているのであります。

この問題を、少なくても歯科医療業界に身をおく人たちが、「歯科技工の海外委託は違法である」と断ずる姿勢がない限り、他の問題に関しても、国民の安心・安全のために作られた制度、法律はお飾りと化し、医療従事者としての責任や使命感は気泡と消え、「国の方策には立ち向かえない業界」としてのレッテルを貼られるとともに、自己犠牲に甘んじる業界体質の助長に拍車をかけ、業界全体が自滅の道を歩まされること必定と考えられます。

私たちは、単純に「法律違反」を訴えているだけであり、他意はありません。国があまりにも、こじつけ、非理屈としか思えないことを並べ立て、時代錯誤も甚だしい反論を連ね、従って、議論噴出のなか問題が複雑多岐に流されている感は否めません。

そこで、当幹部会では、控訴審係争中ではありますが、判決をただ待つだけの姿勢から、「最悪の判決」を想定し、「じゃぁ、歯科技工士制度をどうするのか」という観点の具現化に向けて、可能な限り積極的に法廷外活動を展開する必然性の結論を得ました。

具体的活動

1、各政党に、歯科技工士の現況と、訴訟の意義を知って頂くためのア  ピールをする。
  A, 意見書提出  B, 訴訟の年表  C, マスメディアの情報
  D, 国会論議 質問主意書・答弁書  E, 保団連のアンケート資料
  F, 業者のチラシ G、教育養成機関における近年の推移

2、消費者団体へのアピール

3、日歯、日技への対策

4、 街宣活動及びシンポジウム開催し広く国民にアピール


結論

単純に「判決の白黒」のみを追い求めるだけではなく、訴訟を提起した責任として、今日の歯科技工士の現況と、歯科医療業界における矛盾や弊害の多い実態の不条理解消のための必然的願望が、日増しに強くなることは禁じえません。
 原告は勿論のこと、閉塞感で覆われた業界のなかで、心ある歯科医師や知人・友人・先輩はもとより、見ず知らずの方々の温かいご献金や、時間を割いての支援者名簿のご署名収集等、筆舌に尽くせない程のご支援、ご協力を賜っている現実に対して、満腔の敬意と感謝の気持ちで、胸がはちきれんばかりの感謝感激を味わわせて頂いております。
 それらの方々の「裁判の応援」の底に潜む、言い尽くせない国民歯科医療への健全な顕在化に対する「絶大な期待、願望」を享受するとともに、体の芯からの使命感で震撼させられる昨今であります。
今回、裁判の結果がいか様に決着が付けられようとも、「戦いの証」として私たちなりの将来の「歯科技工士制度のビジョン」を構築し、ひとつの節目にしたいと考えております。
 今後ともよろしくお願い申し上げます。

※ 支援者名簿ご署名 3月12日現在 15、459筆 頂戴致しております。


以上
posted by 管理人 at 06:46| Comment(5) | TrackBack(0) | 会合報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
インプラントを作っているのはノーベルバイオケアとか、
日本人技工士でもない人が作ったものを輸入して
それを患者の口に入れてるわけですよ。
入れ歯自体も海外で作ろうがどうしようが、
治療は国内でやってるわけだし、
まったく問題ないのでは?
Posted by たとえば・・・ at 2009年03月22日 09:23
「たとえば」さん
インプラントのフィクスチュアーは規格化されており、『歯科医療機器』として輸入されています。そこには、材料や大きさや製造場所などが明確にできる仕組みになっています。

しかし、この裁判の中心である技工は、規格化できるのは材料ぐらいで、その材料を明確にする薬事法さえも国によって異なっているのが現状です。

そのような中、『材料は日本の薬事法にのっとったものを使うように』と記したとしても、監査できない状況にあっては、ないも同然ではないでしょうか?それは患者さんの視点にたった処置とは考えにくいです。

また、長いスパンで考えてみても、日本がこれまで築いてきた歯科技工教育など総合的に考慮し、歯科技工の内需を国外に委ねることが将来的に必要なことかどうかを明確なビジョンをもって考えないと後世にいいものは残せないと思います。「ただ人件費が安いだけ」では・・・。

いかがでしょうか?
Posted by 医療従事者 at 2009年03月22日 10:39
CADCAMの元祖とも言えるプロセラはどうでしょう。
あれは当初、スウェーデンで作ってたもので
もちろん日本人技工士が作ったものではないですよね。
それでも完全スルーでOKだった。
どうも納得いかんのですが。
Posted by プロセラはどうですか? at 2009年03月22日 16:08
「プロセラ」さん
論点をぼかさないためにも3点おさえておくべきことがあります。

まず1つ目ですが、歯科技工物は歯科技工士法にのっとり綿綿と綴られてきた歴史があるということです。そこには、「歯科医師又は歯科技工士でなければ、業として歯科技工を行つてはならない」と謳われている事実があります。

2点目は、その材料が薬事法にのっとっているかどうかです。

私は、当時のプロセラのことも今のプロセラのこともよく知らないので、プロセラさんのおっしゃる「完全スルーでOKだった」という点についてはコメントを控えさせていただきます。

一般的には、規格化されたアバットメントなどは「医療機器」として薬事をとらなければいけません。

これらを総合的に考えて判断しなければ、これまで築いてきたものも水疱と帰してしまいます。

たとえ、これまで築いてきたものがこれからの歯科医療の方向性と違う場合でも、順序を踏まえて対処していくことが大切だと思います。

最後に、3点目ですが、
日本にその技術がなく、その技術によって患者さんが歯科医療の恩恵を被る場合は、国外に委ねることも選択肢としてあり得ます。


やはり、どのような目的をもって海外委託技工を使った歯科医療を患者さんに提供しようとするのかが気になるところです。
患者さんの強い要望?はたまた、医療提供者の懐をあたためるため?もしくは、そのほか。
Posted by 医療従事者 at 2009年03月22日 22:05
「医療従事者」様、明確なコメントありがとうございます。

管理人としてはやはり
>どのような目的をもって海外委託技工を使った歯科医療を患者さんに提供しようとするのかが気になるところです。
患者さんの強い要望?はたまた、医療提供者の懐をあたためるため?もしくは、そのほか。


ここに尽きると考えます。

出来ることなら、市場経済の流れにただ流されそれに対応して行くのではなく、歯科技工士、歯科業界が明確なビジョンを国民に発信していく事。
それが国民不在にならない歯科医療を残していける事だと考えます。
Posted by 管理人 at 2009年03月23日 07:38
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